- 研究領域
- アメリカの移民史
- 経歴
- 大阪外国語大学大学院 言語社会研究科 博士後期課程修了
- 言語文化学博士 他大学数校で非常勤講師を経て現在に至る
本学では英語を教えていますが、自身の研究テーマは何でしょうか?
アメリカ研究です。その中でも、アメリカの移民史を研究してきました。具体的には1980年代から90年代の、比較的新しい時代の移民政策が専門です。
なぜアメリカの移民政策に関心を持ったのですか?
中学生の時にアメリカにホームステイに行き、アメリカが大好きになりました。高校時代、再び1年間の留学で渡米したのですが、滞在した地域が白人ばかりだったことから人種の構成に興味を抱き、移民政策について関心を持つようになりました。
私たちがアメリカの移民史を知ることの意義は何でしょうか?
アメリカは今、年間100万人近い移民を受け入れています。アメリカの移民受け入れの姿勢は一貫して「永住」を視野に入れたもので、社会の一員として移民を受け入れ、また移民自身も自らアメリカ人になろうと努力します。一方、日本には「移民」という概念すらなく、日本の外国人受け入れ政策は基本的に「一時的滞在」が前提で、研修制度という名の下で外国人を「期限付き労働者」として都合よく受け入れてきました。最近は、日本でも少子高齢化にともなう人口減少対策として移民を受け入れていくべきではないか、といった議論が聞かれるようになりました。そんな中で、移民受け入れの長い歴史を持つアメリカの経験から、日本が学ぶべきことはたくさんあると思います。
最近はどんな研究をしていますか?
森ノ宮医療大学に来てから、アメリカにおける代替医療にも関心を持つようになりました。私はもともと人の流れに興味があり、鍼灸などの代替医療をアメリカに持ち込んだのがどんな人々だったのか知りたいと思ったのです。また、アメリカにおける鍼灸事情がどうなっているのか、といったことにも興味を持っています。
本学で英語を教える際、工夫していることは何ですか?
うちのような医療大学では、やはり専門科目がいちばん大切だと考えられていますし、英語については必修である1年次のみ履修して、2年次以降は英語から離れてしまう学生もいます。英語が嫌いな学生も多いので、少しでも英語が面白いと思ってもらえるよう、授業で英語の映画や歌を取り入れるなど工夫しています。平成26年度からは、辞書を引かずに平易な英文をたくさん読むことでリーディング力などを養う「多読」という学習法を取り入れてみようと考えています。
英語の大切さを、学生たちにどのように説明していますか?
専門科目にプラスして英語ができれば機会が広がるよ、ということは学生によく話しています。青年海外協力隊などで海外に行く看護師さんの話を聞くことがありますが、たとえ片言でも英語を話せたら、「海外に行ってみよう」という勇気を持つことができるのです。ものすごく得意でなくても、少し基礎がわかっていて、英語にひるまない態度をとれるだけでもチャンスが広がっていく、ということをわかってほしいですね。
(平成26年3月5日)