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【診療放射線学科】第1種放射線取扱主任者試験に合格した3年生2名にインタビューしました!

2024年02月13日(火)森ノ宮医療大学
  

第1種放射線取扱主任者試験は、放射性同位元素や放射線発生装置の取扱において、放射線管理や放射線被ばくによる健康被害を防止するための監督者になることができる国家資格です。
一般的に理工系の社会人が目指す「放射線取扱主任者」試験には第1種と第2種があり、その中でも業務範囲が最も広い第1種を、学生時代に合格するには相当な勉強が必要になります。
本学診療放射線学科では、診療放射線学科教員が運営する『第1種放射線取扱主任者試験対策ゼミ(通称:主任者対策ゼミ)』で本試験に向けた対策を行っており、今年度は過去最高となる5名(2年生3名、3年生2名)が合格しました。
 
今回合格した診療放射線学科3年岡田 翔真さんと熊川 幾斗さんに、受験したきっかけや勉強法についてインタビューを行いました!
 

左:岡田 翔真さん 右:熊川 幾斗さん左:岡田 翔真さん 右:熊川 幾斗さん

 
-第1種放射線取扱主任者試験への合格、おめでとうございます。お2人は3年生での合格ですが、受験したきっかけは何だったんでしょうか。

岡田さん:第一種放射線取扱主任者という資格自体を知ったのは大学1年生で、その時は「名前がかっこいいし少し興味があるかな」という程度でした。本格的に受験しようと思ったのは、治療分野に必要な知識を持っていることを証明できる資格だと知ったからです。私は将来的に治療に関わる診療放射線技師になりたいので、持っていて損はないと思い勉強をはじめました。
熊川さん:私は大学に入ったからにはこの4年間で何か成し遂げたいという思いがあり、「卒業までに受かればいいな」という気持ちで受験を決めました。その結果、2回目の挑戦となる3年次の試験で岡田さんと一緒に合格することができました。
 
-受験のきっかけはさまざまなんですね。
今回合格した5名(岡田さん、熊川さんと2年生3名)は全員、主任者対策ゼミに入っていたとのことなんですが、ここでの取組はどのようなものだったんでしょうか。

熊川さん:毎週15問ずつ問題が配られ、ゼミ生が1人1問ずつ配られた問題の解説をしていく形式でした。授業期間は課題やテストで忙しく、資格勉強の時間が取れないことも多いですが、ゼミでとりあえず問題に目を通しておくだけでも、本格的に勉強をはじめた際の入りやすさが全く違うかなと思います。
岡田さん:ゼミに行くことが良い意味で強制力になって勉強できていた部分はあるよね。
熊川さん:そうだね。
岡田さん:あと、知識豊富な先生方のサポートを受けられるのもゼミのメリットでした。分からないことがあれば各分野の専門の先生が丁寧に教えてくださいますし、実際の試験では先生に教えてもらったことがそのまま出た問題もありました。またゼミに入っていることで先生に顔を覚えてもらい、普段の学生生活でも気にかけてくださったのはありがたかったです。学生同士では学年を越えた縦のつながりがあり、私はまだ授業で習っていない科目の勉強法を先輩に教えてもらいました。
 
-先生や先輩の助けがあって合格に近づけたんですね。
個人でする勉強はどんなやり方でやっていたんですか?

熊川さん:私はインターネットに載っている過去問の解き方を5年分暗記しました。沢山の問題に触れることで徐々にパターンを理解し、問題を解けるようになっていきました。
岡田さん:私は2年次の受験で、問題を解くために必要な知識を度忘れして3問分の点数を取りこぼしてしまいました。その失敗を生かし、今回は過去問を解くことに加え、頻出分野の暗記必須事項をまとめて確認できる【直前に見るようノート】を作成して臨みました。また、暗記科目である法令は過去問を少しずつ覚えることをルーティーン化するなど、科目に合わせた勉強法を意識していました。
 
-勉強時間はそれぞれどのくらいだったんでしょうか。

熊川さん:私は他の方と比べると勉強時間はそこまで長い方ではなかったですが、直前期には最大1日7時間程勉強していました。アルバイトも週1回まで抑え、試験に備えました。
岡田さん:私はメリハリをつけて勉強したいタイプなので、思い切って勉強を休む日もつくっていました。試験直前の夏休みには5、6時間くらいの勉強を3日続け、1日休みという流れを継続していました。
熊川さん:この試験は高校で習う物理・化学・生物の内容を理解していることを前提にした問題が多いので、スタート地点での個人差がかなり大きいです。勉強も時間管理も自分に合ったやり方を見つけるのが合格への近道です!
 
-今後試験を受ける診療放射線学科の後輩の皆さんにもぜひ参考にしてほしいですね。
では最後に、今回の第1種放射線取扱主任者試験への取組を振り返って一言お願いします。

熊川さん:この試験は、診療放射線技師国家試験の試験科目である放射線生物学、放射線物理学、放射化学、放射線計測学に通じる内容なので、ゼミに入って勉強するだけでも意義があったなと思います。試験を受けようか迷っている森ノ宮医療大学の学生は、まずゼミに入ってみてください。
岡田さん:私は今回の試験に合格したことで、診療放射線学科の他の勉強でもモチベーションが高まり、良い循環ができていると感じています。また、試験勉強は大変でしたが、同じ目標をめざす仲間と一緒に勉強し、苦楽を共にしたことはかけがえのない思い出です。 
岡田さん、熊川さん:第1種放射線取扱主任者試験受験にあたりご指導いただいた診療放射線学科の大西先生、奥村先生、山本先生、一緒に勉強を頑張ったゼミ生のみんな、支えてくださった周りの方々、本当にありがとうございました‼
 
第1種放射線取扱主任者試験対策ゼミ主担当 大西英雄教授からのコメント

 第1種放射線取扱主任者試験は絶対評価で合格が決まるため、診療放射線学科の学生であれば、努力次第で誰でも合格のチャンスがある試験です。とはいえ診療放射線技師の国家試験合格率がおおよそ80%前後であるのに対して、第一種放射線取扱主任者試験は30%前後と全く異なっており、きちんと勉強しなければ通らない試験だということは臨床現場で働く診療放射線技師が一番よくわかっています。私が現場で診療放射線技師の採用に携わっていた時も、この資格を所持しているかいないかで就職試験が同点だった2名の応募者の明暗が分かれる場面を見てきました。
 今回合格した岡田さんは、昨年度も合格まであと一歩だったので今年は合格できるだろうと思っていました。熊川さんも、勉強を頑張っていたので合格できたのだと思います。
 今後も学生の頑張りに期待しましょう。