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作業療法学科の学生が保健医療学学会第12回学術集会で奨励賞を受賞しました!

2022年12月28日(水)森ノ宮医療大学
  

12月4日(日)に行われた保健医療学学会第12回学術集会において、本学作業療法学科4年生の徳永優紀さんと森川晴香さんが卒業研究のテーマで発表・ポスター掲示を行い、見事奨励賞を受賞しました。
今回受賞した学生にインタビューを行い、詳しくお話を聞いてきました!
 
-今回発表された卒業研究のテーマはどのようなものでしたか?
 
(徳永さん)「医療大学生の主観的健康感に影響する要因について」というテーマで研究を行いました。「主観的健康感」とは『自分自身がどの程度健康であるか定量的にあらわした尺度』のことです。将来患者さんの健康を支える役割を担う医療大学生の主観的健康感を高めることで、医療サービスを向上させられるのではないかと考え、このテーマを設定しました。先行研究には大学生を対象にしたものがほとんどなく、同じ作業療法学科に所属する1~4年生までの全学生に対して行ったアンケート結果を用いて研究を進めました。研究結果から、大学生はスマートフォンやSNSの使用時間が主観的健康感と相関関係にあること、理想の体重と実際の体重が近いほど主観的健康感が高い傾向にあることが分かりました。
 
(森川さん)「自閉症を持つ高校生の困り感を支援者はどう受け取るべきか」というテーマで研究を行いました。私自身高校生の妹が自閉症で、『何か困っている様子はあるが具体的な理由は分からない』場面を多く経験してきました。先行研究では具体的な場面を想定したものがなく、実際に自閉症児を支援する3名の支援者さんにインタビューを行いました。お話の中で、支援者さんは自閉症児の表情や行動の変化を感じて支援していると伺い、継続的な関わりを通じて得られる気づきがとても大切だということが分かりました。私も妹と10年以上一緒に生活してきて、『いつもは言葉を発さない場面で言葉を発している』など些細な違いに気づくことがよくあります。今回の研究での学びを、実生活でも生かしていきたいです。
 
-お二人とも身近な暮らしの中で感じたことをテーマに研究を行ったんですね。
今回初めて学会で研究発表・ポスターの掲示をされたそうですが、どのような経緯で学会に出ることになったんですか?

(徳永さん)先生に勧められたのがきっかけでした。自分でも学外で研究発表できる機会はなかなかないですし、良い経験になると思い学会に出ることを決めました。
 
(森川さん)私も先生に勧められたのがきっかけです。また10月に学内でも卒業研究発表会があったのですが、私は新型コロナ感染のため研究が遅れ、途中までしか発表できていませんでした。完成した内容を報告できる貴重な機会だと感じ、学会に出ることにしました。
 
-実際に学会に出てみて、どんなことを感じましたか?

(徳永さん)日頃病院で勤務されている作業療法士の方や、他大学教員の発表を聞いた際、話し方から場数を踏まれていることが伝わってきて、経験の差を感じさせられました。また発表中には質疑応答の時間があり、学外の先生から質問をいただけたのも貴重な経験でした。
 
(森川さん)臨床に携わっている作業療法士の方の発表では、実際の患者さんの事例を用い、臨床の目線から研究を行っていたのが印象的でした。基礎から徐々に知識を積み上げていく大学での学びとはまた違った角度で、とても勉強になりました。
 
-お二人自身の研究発表の取組だけでなく、他の方の発表を聞いた際にも大きな学びがあったんですね。
では最後に、お二人が目指す理想の作業療法士像について教えてください。

(徳永さん)作業療法士は、精神面にもアプローチできるリハビリ職です。患者さんに対して共感の心を持って接することのできる作業療法士になりたいです。
 
(森川さん)障害への直接的なアプローチも大切ですが、精神面に寄り添えるのが作業療法士の強みです。患者さんに近い距離で寄り添い、精神面に特化したリハビリを行うことで自分らしい生活が送れるようサポートしていきたいです。
 
-徳永さん、森川さん、受賞おめでとうございます!
 

(左)作業療法学科4年徳永優紀さん (右)同4年森川晴香さん(左)作業療法学科4年徳永優紀さん (右)同4年森川晴香さん