INFORMATION

論文が掲載されました(作業療法学科 小川泰弘講師)

2022年01月19日(水)森ノ宮医療大学
  

この度、本学保健医療学部作業療法学科 小川泰弘講師の論文がThe Journal of Nervous and Mental Diseaseに掲載されました。

Title:Insight Into Illness and Psychological Defense Attitudes in People With Chronic Schizophrenia Using Markovas Insight Scale
Journal:The Journal of Nervous and Mental Disease. 2021; 209(12): 879-883. 
Authors:Ogawa Y, Fukuhara K, Tanaka H, Nagata Y, Ishimaru D, Urakawa M, Nishikawa T.

【概要】
統合失調症における病識の低下は、脳の機能障害の結果として解釈されることが現在の主流である。
しかし、この研究では、統合失調症の病識の背景には心理防衛的な要因がある可能性が示唆された。
統合失調症は社会的な偏見の強い疾患である。今回の研究を通じて、統合失調症患者の障害受容に対する心理防衛的な側面への配慮の重要性を強調したい。
 

 
【図の説明】
縦軸は未熟な防衛機制を使用する心理的傾向を、横軸は病識の高さを示している。
結果は、病識が高いほど未熟な防衛を示す傾向が高いことを示唆していた。
未熟な防衛傾向とは、現実の受け入れ難いことから自分のこころを守るために事実を歪曲してとらえる傾向の指標であり、この結果は一見矛盾したもののように見える。
この論文では、この点に関して統合失調症を持つ個々人の主観的側面に焦点を当てた考察を展開した。