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論文が掲載されました(大学院保健医療学研究科 工藤慎太郎教授)

2021年10月27日(水)森ノ宮医療大学
  

本学大学院修了生であり、現在は近畿大学病院において研究活動を行っている白石匡さんが筆頭著者で、工藤慎太郎教授が共著者である論文がRespiratory Researchに掲載されました。

Title:Diaphragmatic excursion is correlated with the improvement in exercise tolerance after pulmonary rehabilitation in patients with chronic obstructive pulmonary disease
Journal:Respiratory Research(IF:5.6). 2021; 22: 271. DOI: 10.1186/s12931-021-01870-1.
Authors:Shiraishi M, Higashimoto Y, Sugiya R, Mizusawa H, Takeda Y, Fujita S, Nishiyama O, Kudo S, Kimura T, Chiba Y, Fukuda K, Tohda Y, Matsumoto H.

【概要】
この論文は、超音波エコーを用いた横隔膜機能評価の重要性を示したものです。
COPD患者に対して外来で行う呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)の有効性は確立されているものの、呼吸リハで改善が得られにくい症例も存在します。
そのような症例を早期に発見し、より個別性の高いリハビリテーションへ移行することが求められます。
本研究ではその早期発見の精度を高めるため、超音波エコーで計測した横隔膜移動距離が有効であると仮説を立てて調査しました。
その結果、呼吸リハの効果を予測する上で、従来用いられてきた肺機能よりも精度が高いことを証明しました。
つまり、横隔膜の移動距離が少ない症例は改善しにくいということが明らかになり、超音波エコーを用いた横隔膜移動距離の評価が重要であることを示しました。

本学と近畿大学医学部リハビリテーション科は連携協定を締結していることもあり、白石さんは大学院修了後においても工藤教授とともに研究活動を行い、隔膜移動距離の定量評価方法の確立が本成果へとつながりました。
これからも連携協定の強み、お互いの大学の強みを活かした研究を展開し、苦しんでいる患者さんを救うため研究に励んでいきます。