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意識障害からの回復!「紙屋プロジェクト」に本学教員が合流

2014年09月09日(火)森ノ宮医療大学
広報室

病気や事故のために、意識障害や生活活動に障がいを持ち、日常の生活に助けが必要な患者さんたちが、多くいらっしゃいます。そのような患者さんを自立へと導く「紙屋プロジェクト」。

8月27日、秋田県に在住する患者さんのケアを行うチーム秋田(看護師の紙屋克子先生が組織するチーム)に、本学教員で理学療法士の金尾教授、鍼灸師の小島教授が合流し、治療・ケアにあたりました。
患者さんは10年前に交通事故に遭い、意識不明の状態から奇跡的に回復しました。ただ全身の筋肉は硬直し、今は言葉を発することもできず、寝たきりの状態が続いています。

今回の目的は、家族と直接的なコミュニケーションかとれるよう「言葉が発せられるようになる」、「笑顔の回復(表情筋の回復)」、そして「よい姿勢で座る」の3つで、西洋医学的なアプローチだけではなく、東洋医学である鍼灸治療も用いて、患者さんの回復をめざしました。(座る姿勢は、家族で旅行するため、膝もしっかり曲げて飛行機の座席に座ることをめざしました)

治療方法は、金尾教授が理学療法の評価から治療ポイントを決定し、小島教授が鍼灸治療を実施。その後、金尾教授によって運動が行われました。

この治療手順は以前から大きな成果を挙げており、今回も同様に膝関節の可動域が劇的に改善し、座る姿勢も良くなりました。また、治療の後大きな声が出せるようになり、数日後には患者さんのお母さんから喜びと驚きの連絡が!

なんと事故後、はじめて「おはよう」と言葉を発することが出来たとのこと。

今回の成果は、家族、紙屋先生率いるサポートチーム、そして理学療法士、鍼灸師が一丸となってなしえた、患者さんにとって大きな進歩となりました。

看護ケア、理学療法に加え、鍼灸を取り入れた東西医療の融合によって、このような成果をあげることができ、本学にとっても意義あるものとなりました。

 

患者さん・ご家族とチーム秋田患者さん・ご家族とチーム秋田

小島教授による鍼灸治療の様子小島教授による鍼灸治療の様子

金尾教授による運動の様子金尾教授による運動の様子

チーム秋田を指導されている紙屋克子先生チーム秋田を指導されている紙屋克子先生