論文が掲載されました(インクルーシブ医科学研究所 堤真大講師)
2024年04月25日(木)森ノ宮医療大学
このたび、インクルーシブ医科学研究所 堤真大講師の論文が「Journal of Anatomy」に掲載されました。
Title:Capsular attachment on the anterosuperior femoral head–neck junction: A hypothesis about femoroacetabular impingement
Journal:Journal of Anatomy.
Authors:Tsutsumi M, Nimura A, Utsunomiya H, Kudo S, Akita K.
WEB link:doi.org/10.1111/joa.14046
【研究内容の概要】
近年、大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI:股関節運動時における大腿骨と寛骨臼の異常接触によって股関節が傷つく病態)が変形性股関節症の原因として注目されています。なかでも、大腿骨頭-頚部移行部に生じる骨隆起、Cam morphologyによるFAIが問題視されていますが、どのようにしてCam morphologyができあがるのかはよくわかっていません。
Cam morphologyがよくできる部位とされる、大腿骨頭-頚部移行部における関節包の形態を解析したところ、関節包が大腿骨頭の関節軟骨表層に連続し、さらには線維軟骨を介して関節軟骨に付着するということが明らかになりました。従来の教科書的記載では、“関節包は関節軟骨には連続しない(関節軟骨を覆わない)”とされており、その定説を覆す結果となりました。
本研究結果により、Cam morphologyがよくできる部位では、何らかの力学的ストレスが関節包を介して関節軟骨に伝達されている可能性が示されました。このような新しい視点はCam morphologyのできあがるメカニズム解明につながるものと期待されます。
本研究は東京医科歯科大学 臨床解剖学分野 秋田教授、運動器機能形態学講座 二村教授、股関節鏡外科医である宇都宮啓先生との学外共同研究の成果です。なお、本研究は科学研究費助成事業(科研費)22K17645の助成を受けて実施されました。
(※掲載論文より引用)
(※掲載論文より引用)
【科研費に関する情報】
科研費若手研究 22K17645
疎性結合組織から考える股関節の運動療法革新に向けた解剖学的基盤研究
科学研究費助成事業(科研費)
【教員データベース】
下記より研究者の業績等をご覧いただけます。
堤真大講師(インクルーシブ医科学研究所)
工藤慎太郎教授(インクルーシブ医科学研究所)