論文が掲載されました(MINCL 堤真大講師)
2023年08月24日(木)森ノ宮医療大学
このたび、MINCL(インクルーシブ医科学研究所)運動療法エビデンス研究チームの堤真大講師(MINCL・理学療法学科)の論文が、「Scientific Reports」に掲載されました。
Title:Posteromedial capsular anatomy of the tibia for consideration of the medial meniscal support structure using a multidimensional analysis.
Journal:Scientific Reports. 2023 Jul; 13(1): 12030.
Authors:Masahiro Tsutsumi, Akimoto Nimura, Suthasinee Tharnmaularp, Shinrtarou Kudo, Keiichi Akita.
WEB link:doi.org/10.1038/s41598-023-38994-x
【堤講師のコメント】
近年、早期変形性膝関節症に関わる病態として内側半月の逸脱が着目されています。従来、内側半月を支える構造として、その脛骨付着部である後根、内側側副靭帯などの靭帯、半膜様筋などの筋が重要視されてきました。一方、内側半月は関節包を介しても脛骨に付着しますが、関節包が支持機構としては着目されることはあまりありませんでした。
本研究では関節包の脛骨付着領域が従来考えられてきたものより幅広く、後根とも連続することを明らかにしました。従って、関節包と後根は内側半月の支持に協調的に作用すると考えられました。また、関節包自体が半膜様筋腱の腱鞘を成し、腱によって関節包が2層になっていました。膝後内側には明瞭な靭帯は存在せず、関節包が成す層の一部が靭帯として認識されてきたということがわかりました。また、関節包と半膜様筋の相互作用が内側半月の支持に重要であると考えられました。以上の観点から、既存の内側半月支持機構を再考していく必要性が示唆されました。
本研究は、秋田恵一教授(東京医科歯科大学 臨床解剖学分野)、二村昭元教授(東京医科歯科大学 運動器機能形態学講座)との学外共同研究の成果です。また、研究の一部は森ノ宮医療大学 学長奨励研究費(発展的研究体制構築型)(2022MPA1)による支援を受けて実施されました。
関節包に基づく支持機構に着目し、内側半月逸脱の新たな病態解釈が可能となれば、より早期の病態に予防介入できることが期待されます。
【MINCL】
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【学長奨励研究費(発展的研究体制構築型)】
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堤真大講師(MINCL・理学療法学科)
工藤慎太郎教授(MINCL・大学院保健医療学研究科)