DEPARTMENT OF MEDICAL TECHNOLOGY 医療技術学部

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臨床検査学科について

「データ」ではなく「人」と向き合うプロを育成

臨床検査技師とは

病気の診断・治療に必要となる科学的に分析したデータを提供するのが、臨床検査技師の仕事。血液や尿、組織細胞など、患者さんの検体を調べる「検体検査」と、超音波(エコー)検査装置や心電計などを用いて体内を調べる「生理機能検査」があり、その的確な検査、分析による情報が、医療を支えています。医療の高度化に応じた臨床検査の知識・技術をはじめ、チーム医療の一員として協働する力、コミュニケーション力も求められます。自分の行う検査が病気の発見や治療の起点となって人の“いのち”を救うことができるやりがいのある仕事です。

現場のいま

近年、臨床検査技師は、医療の高度化に伴い、さまざまな検査を大量にこなすことが必要となってきました。そのため、病院や診療所でのニーズが高まっています。また、臨床検査を専門に請け負う検査センターや人間ドック、定期健康診断、生活習慣病予防健診などでも、臨床検査技師は大きな役割を果たしています。ほかに、国や地方自治体の衛生研究所や一般企業(医療機器メーカー、製薬会社)など幅広く活躍する場があります。

入学定員

70名

取得可能な資格・免許
  • 臨床検査技師国家試験受験資格
  • 細胞検査士資格認定試験受験資格
    3年次から細胞検査士課程を選択(定員15名の選考制)
  • 遺伝子分析科学認定士(初級)受験資格
  • 中級・上級バイオ技術者認定試験受験資格
  • 医療情報技師
  • 第2種ME技術者
    • 所定の科目の単位を修得することが必要

臨床検査学科の学びガイド

「データ」ではなく「人」と向き合うプロを育成

人体や疾患に関わるデータを収集、分析する臨床検査技師は、機器や数字と向き合います。
ただ、その先には必ず患者さんがいることを念頭に、「データ」を見る技術者ではなく、「人」を診る医療者たる臨床検査技師を育成します。

01「画像検査」「遺伝子検査」を深く学べる本学科ならではのカリキュラム。

疾患がもたらす身体への影響を目で見て確認する「画像診断」は、現代の医療には欠かせない要素です。超音波(エコー)検査を中心として、臨床で使える検査の技術と、画像データを的確に読み取るスキルを磨くための科目を配置しています。また、今後急速に重要性が増すであろう、遺伝子に関わる「がん診断検査」を学ぶことができるカリキュラムが組まれています。

画像検査学

専門科目|必修|3年次

診療・治療に用いられる画像の診断について、その方法や原理、測定、データの管理・保存、画像所見判読の仕方などを学びます。MRIやエコーなど、さまざまな手法で得られた画像と生化学検査を総合的に判断する能力を養います。

超音波検査学Ⅰ・Ⅱ

専門科目|必修|3年次

超音波(エコー)検査の基本技術の修得をめざします。「Ⅰ」では心臓および血管、「Ⅱ」では腹部および甲状腺や乳腺を主な検査対象として学修。超音波の基本原理を理解し、きれいな画像を描出するテクニックを身につけていきます。

遺伝子検査学・遺伝子検査学実習

専門科目|必修|2年次

技術発展が著しい遺伝子検査について、その具体的な検査項目や遺伝子解析法の原理などを理解します。実習では、DNAの組み換えなどをはじめとした基礎的な遺伝子分析技術や、臨床検査への応用に必要な技術を身につけていきます。

02興味のある分野をさらに追究できる、さまざまな「ゼミ」を開講。

3年次からゼミ(卒業研究)がスタート。自分が興味のある分野の研究をしている教員の指導のもと、2年かけて学生自身が主体的に学修・研究していくのがゼミです。本学では画像診断から分子生物学・遺伝子工学まで幅広いゼミを開講。実験や観察を通して、臨床でも生かせる力を養います。

超音波検査を用いた画像検査・画像診断に関するゼミ

肝臓、心臓、胆のうなどを、超音波を使って画像化し、検査法や描出法を考察するゼミ。学生同士で被験者となって進めていきます。

腫瘍の悪性化(浸潤・転移)に関するゼミ

がんのメカニズムを遺伝子レベルで解明していくゼミ。がん細胞の培養、たんぱく質の組み換えなどを行っており、バイオテクノロジーに興味のある学生が所属しています。

疾患モデル生物を使った病態に関するゼミ

肝臓疾患や皮膚炎、心筋梗塞といった「疾患」をより深く学ぶゼミ。実験動物のマウスやラットを解剖し、組織の採取、切片の作製、染色、観察まで、学生主体で行います。

03「リバースCPC」の教育法を導入し、データを“読み解く力”を養成。

通常、医療の現場では、患者さんの症状や診察初見があったうえで検査を行い、具体的な治療方法を検討します。これを、CPC(Clinico-Pathological Conference)と言います。リバースCPCとは、教育を目的として通常の逆、つまり「『検査データ』から症状を推測」するという学びです。画像データや血液検査データなど、複数の検査データから疾患や症状を推測する学びを繰り返すことで、複合的に読み解く力を養います。

04実習先の約6割が、「400床以上の大規模基幹病院」。

実習受け入れ可能病院は64施設。大学病院や国公立病院を中心として、約6割が400床以上の病床数を有する規模の地域の基幹病院です。

なぜ、大規模基幹病院を実習先にしているのか?
学生時代に「高度先進医療を知っておく」ということが、臨床現場に出た際のアドバンテージになると本学では考えています。そのため、先端医療や最新医療を垣間見ることのできる実習先として、比較的規模の大きい医療機関を厳選しています。

臨地実習中も本学科の教員がサポート

実習先へは、本学の教員が定期的に巡回し、現場で生じた疑問や相談などに対応します。また、帰校日を設けて大学との接点をしっかりと持ち、安心して実習に取り組める環境を整えています。

医療機関での臨地実習に備え、OSCE形式で実習前教育を実施。

OSCE(オスキー)とは?
Objective Structured Clinical Examinationとは、「客観的臨床能力試験」のことであり、主に医学部などの学生が実習前に合格することが必須となっている学内試験です。本学科では実習前に実習生としてふさわしい「技能・知識・対話力」(=臨床力)がそなわっていることを確認するため、OSCE形式で実習前教育を行っています。

05病院さながらの環境を、キャンパス内に再現。

最新の「超音波検査装置」や電子カルテに対応した「画像ファイリングシステム」、「光学顕微鏡」などを完備しています。医療機関と同レベルの機器を使って学内でトレーニングを重ねることが可能です。

「チーム医療の森ノ宮」 だから身につく! “多職種理解”と“コミュニケーション力”

チーム医療における、臨床検査技師の役割とは

検査データはあらゆる治療の根拠となるため、臨床検査技師は全診療科に関わります。手術前後のカンファレンスや、院内感染制御チーム、栄養サポートチーム、糖尿病ケアチームなど、目的別のチームに参画します。

本学独自の「チーム医療」教育IPE

MORINOMIYA + PLUS INFO

がんの早期発見に貢献する「細胞検査士」をめざす

細胞検査士とは、細胞病理検査(細胞診/がん細胞の検査)を行う専門家です。本学科では、3年次より細胞検査士課程(定員15名)に進むことで、受験資格を得ることができるため、4年間で「臨床検査技師」と「細胞検査士」のダブルライセンスをめざせます。
※ただし2年次までに所定の科目の単位を修得することが必要

「中級・上級バイオ技術者」などの資格取得もめざせる

そのほか、中級・上級バイオ技術者や遺伝子分析科学認定士(初級)などもめざすことができます。取得するための勉強そのものが将来の役に立つだけでなく、キャリアの幅も広がります。

学科長 MESSAGE

すべてが検査から始まる現代医療。
その最前線で生きる“臨床力”にこだわる。

採血や血圧測定をはじめとした「検査の結果」に応じて治療内容を判断、決定する現代の医療。その重要な検査を一手に担っている専門家が、臨床検査技師です。例えば、一瞬の判断の遅れが致命傷になる急性冠症候群(心筋梗塞)も、迅速に病態を把握し的確に治療するためには心電図や心エコーなどの検査が欠かせません。分析結果が、命に関わる異常の発見につながることもあります。そして治療後、その経過を確認するのもまたデータです。多様なデータを扱う臨床検査技師は、栄養サポートチーム、糖尿病ケアチームなど、ケースに応じて病院内のあらゆる医療職と連携する職種。7学科を有する本学では、学内で異なる職種との関わり方を学べるので、将来チーム医療の現場で役立つスキルを修得できます。さらに「細胞検査士」など、より高度な専門資格をめざす学生の支援体制も用意。探究心、向学心に応える環境を整えています。

脇 英彦 学科長・教授

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