DEPARTMENT OF MEDICAL ENGINEERING 医療技術学部

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臨床工学科について

「医学×工学」で高度医療を支える、“いのち”のエンジニアへ

臨床工学技士とは

患者さんの命に直接関わる人工呼吸器、人工透析装置、人工心肺装置などの生命維持管理装置を操作して治療を補助したり、機器の保守や点検を行ったりする医療機器のプロフェッショナル。それが臨床工学技士です。手術室など救急医療の最前線で患者さんの命を支える、研究者として医療の発展に尽力するなど、その活躍のフィールドは多岐にわたります。いかなる現場においても、機器の先にある命と向き合うことに大きなやりがいを感じられる職業です。

現場のいま

医療機器の進歩に伴い、医学と工学の両知識を持つ臨床工学技士に対する期待は年々高まっています。現代医療は医療機器の発展とともに高度化しており、医療機器の操作や安全に作動させる保守点検など、臨床工学技士の存在が欠かせなくなっています。近年では、医療業務の「タスクシフト/シェア」が進められており、医師の負担を減らしつつ、各職種の業務範囲が拡大しています。臨床工学技士においては、手術中の新たな機械操作や患者さんへの直接的な処置ができるようになり、今後も活躍の場は広がっていくと予想されます。

入学定員

60名

取得可能な資格・免許
  • 臨床工学技士国家試験受験資格
  • 第1種・第2種ME技術者
  • 医療情報技師

臨床工学科の学びガイド

「医学×工学」で高度医療を支える、“いのち”のエンジニアへ

医療職の中で唯一「工学」的アプローチが可能な臨床工学技士は、現代のチーム医療に欠かせません。そのため本学科では、多職種とコミュニケーションが取れる豊富な知識・技術・教養をもつ臨床工学技士を育成します。

01「医学」×「工学」の両面をカバーするカリキュラム。

臨床工学技士には、人体の構造や機能、各種病態などを把握する「医学知識」と、医療機器の原理・構造を理解する「工学知識」の両方が高いレベルで要求されます。本学科ではそれぞれを基礎から学ぶほか、「生体工学」の学びも取り入れています。

なぜ「工学」の学びが必要なのか?
今だけでなく、「次世代」の高度医療機器に対応するため。

「工学」的要素でできている医療機器は加速度的に進歩しています。「今」の機器が使えることはもちろん、「次世代」の高度医療機器をスムーズに扱うために、臨床工学技士には「工学」的知識が必須と考えています。

02「体外循環・人工呼吸・血液浄化」の各領域において、
第一線で活躍する教員陣。

臨床工学技士の資格をもつ専任教員全員が豊富な臨床経験を有しているため、実際の現場を意識した指導が可能です。

「工学」専門の専任教員も複数在籍

理工学や医用生体工学などの科目は、教育・研究実績が豊かな工学系の教員が担当することで、最大限の学修効果を生み出します。

03全国有数、充実の実習設備。学内で高い臨床力を身につける。

教育用TAVIシミュレータ血管モデル

人工心肺装置を用いずに大動脈弁留置術を行う「経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)」を学ぶための装置。大動脈と同じ太さを再現した機器にカテーテルを通し、実際の手技を学ぶことができます。本学と匠工芸という企業の共同開発モデルであり、臨床工学の教育現場に設置しているのは国内で本学のみです。

人工呼吸器シミュレータ

時間の経過とともに自発呼吸の状態を変化させることもできる、高性能シミュレータです。あらゆる病態の患者さんの呼吸状況を再現できるため、人工呼吸器の基礎から応用まで実践的に学ぶことが可能です。

04病院や医療機器メーカーからゲストスピーカーを招いて講演。

近年、役割や活動範囲が拡大している臨床工学技士。その中には、行政機関と協力して新しい機器の開発・研究に携わる人や、医療機関で専門領域に磨きをかける人などもいます。
豊かなビジョンを描くことは、学びのモチベーションアップにつながるため、本学科ではさまざまな業界からゲストスピーカーを招き、貴重なお話を伺う機会を設けています。

過去の講演内容
チーム医療による外科手術と麻酔科医の役割 心臓血管外科手術 など

産学連携や大阪府臨床工学技士会の活動にも関わり、広い知見を得る。

産学連携として、シャープ株式会社が開発した高性能フェイスシールドのユーザビリティ評価(使いやすさの評価)に本学教員・学生が関わったり、大阪府臨床工学技士会の献血活動に参加したりするなど、知見を広げる機会を設けています。

05アーリーエクスポージャーで早期に臨床を体験し、
技士としての職業観を高める。

医療人としての意識を高めることなどを目的として、早期から臨床の現場を体験することを「アーリーエクスポージャー」と言います。本学科では、4年次に6週間の臨床実習が行われますが、アーリーエクスポージャーとして、2年次に病院見学を実施します。早期から現場の雰囲気を知り、医療機関における臨床工学技士の役割を理解したり、実際に働いている方々の動きや表情を感じることが、臨床力を高める土台になります。

06フォロー&ステップアップで、習熟度に合わせて着実な成長をサポート。

高校までの理系科目が、臨床工学技士の学びの土台になります。そこで本学科では、授業とは別に化学や物理など高校の理系科目を改めて学べる「フォローアップ講座」と、さらに学びを深められる「ステップアップ講座」を用意。教員とともに興味のある分野の学びを追求することができます。

さらなる資格取得もサポート

「第1種・第2種ME技術者」「医療情報技師」をめざす学生に対して対策講座を開講。一人ひとりが着実に成長できる仕組みを整えます。

「チーム医療の森ノ宮」 だから身につく! “多職種理解”と“コミュニケーション力”

チーム医療における、臨床工学技士の役割とは

あらゆる医療機器の操作や管理を担うため、さまざまな診療科と協働します。極めて専門的な例としては、心臓の手術の際に医師とともに手術室へ入り、人工心肺装置の操作を担当するということがあります。また、集中治療室の危機管理を担い、看護師と連携しながら命をつなぐケアに尽力するなど、活躍の場は多様です。

本学独自の「チーム医療」教育IPE

学科長 MESSAGE

命の重さを理解し、
医療の安全を支える“いのちのエンジニア”へ。

人の呼吸・循環・代謝という幅広い領域に関わる医療機器のスペシャリスト。それが臨床工学技士です。高度な機器を操作して治療に携わるだけでなく、あらゆる医療機器のメンテナンスも担うことで医療全体の安全を支える、縁の下の力持ちと言えるでしょう。近年は医療機器の高度化にともない、心臓カテーテル手術や集中治療の現場などに活躍の場は広がり、チーム医療における重要性も高まっています。「医学」と「工学」両方の専門知識が求められるため、本学科では臨床工学技士としての経験豊かな教員と、電気や情報分野専門の工学系教員を擁し、バランスの良いカリキュラムを用意。一人ひとりの成長を支える体制を整えています。さらに、医師や看護師をはじめとした多職種とのコミュニケーションが欠かせない職種であるため、学生同士、学生と教員の輪が生まれる環境づくりにも着手。みなさんが臨床工学技士として成長し、最前線で活躍する即戦力となれることを願っています。

加納 寛也 学科長・教授

加納 寛也 学科長・教授

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