診療放射線学科について
入学定員
80名
取得可能な資格・免許
- 診療放射線技師国家試験受験資格
- 第1種放射線取扱主任者(国家資格)
- 第2種放射線取扱主任者(国家資格)
- エックス線作業主任者(国家資格)
- ガンマ線透過写真撮影作業主任者(国家資格)
診療放射線技師とは
医師の指示のもとに、放射線を人体に対して照射するのが診療放射線技師です。X線CT、X線TV、PET、SPECT、MRI、USなどの機器で人体を撮影し、診断に必要な画像情報を医師へ提供することが主な仕事です。また放射線を照射してがん治療を行う専門職でもあります。医療機器を扱う技術、放射線の取り扱いに関する法令の理解と遵守など、高度な専門性を持つスペシャリストです。あらゆる診療科において重要な画像情報を提供し、チーム医療に貢献します。
PET/SPECT : 核医学診断装置。臓器や腫瘍の機能・代謝といった生理学・生化学的な「機能画像」を得ることができる。
MRI : 磁気共鳴画像診断に使用する装置。X線は使用せず、強い磁場と電磁波を使って身体の中を画像化する。
US : 超音波検査装置。高い周波数の音(超音波)を使って身体の内部構造を画像化する。
現場のいま
放射線を医療のために活用する技術は、医療テクノロジーにおいて、特に進歩が著しい分野です。今後もさらなる発展が予想され、放射線を専門に扱う診療放射線技師の存在は欠かせないものとなります。特にがんの高精度放射線治療へのニーズが高まると見込まれています。また、放射線の技術は医療以外の産業分野で利用されるケースも増えており、活躍の場は、さらに広がり続けている状況です。
【1分でわかる医療職】『診療放射線技師』の仕事5つのポイント
診療放射線学科の学びの特徴
「診断」と「治療」の重要な一端を担う、放射線診療のスペシャリストを育成
単なる「レントゲンを撮影する技師」ではなく、「診療(診断と治療)」に関わることができる人材が、いま、求められています。
画像データを撮影・処理する技術と、複数の画像を評価(読影)するための膨大な知識を養っていきます。
01「撮影技術」と「画像評価」の力を高めるカリキュラム。
目に見えない放射線(X線)を用いて撮影し、身体の中を画像化する診療放射線技師。画像は“誰が撮っても同じ”ではなく、撮影者の知識と技術が反映される上、画像を評価(読影)する力も求められます。本学科では、これらの技術を確実に身につけるカリキュラムを数多く配置しています。
カリキュラム例
臨床画像解析学
撮影した画像を見やすいように処理・解析するために必要な知識と技術を学ぶ。また、画像診断における読影補助についても学修します。
CT・MRI撮影技術学
X線CT検査とMRI検査を比較しながら学び、適切な診療画像を提供するための診療画像検査法を身につけます。
経験豊かな教員陣が直接指導
単にカリキュラムを配置するだけでなく、各領域の専門家が学生を直接指導。診療放射線技師として35年以上の現場経験をもつ教員をはじめ、画像解析・画像処理から放射線治療まで幅広い専門性をもつ教員陣を配置しています。
Pick Up
奥村 雅彦(教授)
35年以上の臨床経験をもつ放射線治療分野の第一人者。関連著書多数。本学では、「放射線治療技術学」「先進医療技術」などのカリキュラムを担当。
船橋 正夫(教授)
診療放射線技師として世界初となるX線画像デジタル撮影システムの構築に携わるなど、画像診断・画像処理分野をけん引。本学では「X線撮影技術学」「先進医療技術」などのカリキュラムを担当。
02「リメディアル教育」+「先進科学技術系カリキュラム」で高度医療に対応できる診療放射線技師へ。
1年次(基礎)と4年次(発展)にそれぞれ本学科独自の選択科目を配置しています。これにより、大学の学びへのスムーズな移行と、医療人としての考え方を養います。
03世界基準のバーチャル放射線治療教育システム「VERT」(バーチャルリニアック)を、
西日本の大学で唯一導入。
英国で開発された「VERT」では、がんの放射線治療の臨床現場を講義室内にVR技術で再現し、3Dメガネを通して体験・学修することができます。実物のハンドコントローラを用いて、患者さんの臓器に放射線を照射するための位置合わせの実習、放射線が患者さんのどの臓器を通過して照射されているかの確認、放射線治療に重要な放射線管理技術なども、3Dで修得することができます。国内での導入校は本学を含めてわずか2校であり、西日本では本学が唯一の導入校です(2024年4月現在)。
三次元放射線治療計画システム
CTやMRIを使った高精度放射線治療計画を学ぶことができる装置を10台用意しています。バーチャルリニアックに転送して治療を再現することもできます。
04関西圏で唯一、診療放射線学科・臨床検査学科・臨床工学科の3学科を有する大学だからできる、学科連携型「アドバンスプログラム」
1年次のカリキュラムに、医療技術学部の学生が自由に選択し、3学科合同で学ぶアドバンス科目を3科目配置。早い時期から多学科と一緒に学ぶことにより、「チーム医療」に必要な「多職種理解」を促し、同時に専門スキルも修得します。
医療技術入門
高度化する医療を支える専門スキル、つまり生体機器を扱う基本的な技術を実技を通して修得します。消化器系、脳・神経系、循環器系疾患で使用される各種医療機器の取り扱いについて学びます。
救命救急テクニカル演習
世界基準の心肺蘇生(CPR)について学び、そのスキルを修得します。アメリカ心臓協会(American Heart Association,AHA)による一次救命処置(BLS)プロバイダーコースを受講し、合格者には2年間有効の「AHA 公式 BLS Provider修了認定証」が送られます。※BLS:一次救命処置
循環器診断技術演習
心電図検査、超音波検査、X線CT検査、IVR、MRI検査などによる循環器診断技術について、講義と実技を通して学びます。
05放射線治療の最先端施設と連携。
日本有数の重粒子線がん治療センター
大阪重粒子線センター
日本で6番目の「重粒子線」を用いたがん治療を提供する「大阪重粒子線センター」と相互連携協定を締結。コンパクトサイズの重粒子線治療装置などを用いた先進放射線治療を見る機会を用意しています。
「チーム医療の森ノ宮」だから身につく! “多職種理解”と“コミュニケーション力”
チーム医療における、診療放射線技師の役割とは
診療放射線技師が提供する放射線画像や1次読影レポートが、病気の診断や治療方針を決定するための重要な情報になるため、チーム医療において大きな役割を担います。他の医療職を理解していることや医療者間でのコミュニケーション力が求められます。
さらに詳しく知りたい方はコチラをクリック
学科長 MESSAGE
自らの意志で学び、探究する。
医療界をリードする診療放射線技師へ。
近年、目覚ましい進歩を続ける放射線医学。その一翼を担い、CTやMRIなどを用いた医用画像の撮影や放射線を利用したがん治療に携わるのが、私たち診療放射線技師です。ただ、どれほど最新の装置があっても患者さんの協力が得られなかったり、チーム医療の一員として協働することができなかったりすると最適な検査や治療はできません。「コミュニケーション力」や「問題解決力」は必要不可欠なスキルです。だからこそ学生生活の中で多くの人たちとの関わりを経験してほしいと思います。
また、大学は自らの意志で学び、探求する場でもあります。ここで身につけた知識やスキルを生かし、医療に貢献することのできる社会人「診療放射線技師」になることをめざしてください。
今、医療界におけるタスクシフトによって、診療放射線技師の業務範囲は日々拡大しています。単に「覚える」のではなく、「理解」して「応用」する力をぜひ本学科で育んでください。臨床経験、研究実績豊富な教員陣が全力でサポートします。
山口 功 学科長・教授