論文が掲載されました(保健医療学研究科 工藤慎太郎教授)
2022年06月02日(木)森ノ宮医療大学
本学大学院保健医療学研究科医療科学専攻博士後期課程を2021年度に修了した河西謙吾先生が筆頭著者で、保健医療学研究科 工藤慎太郎教授が責任著者の論文がSensorsに掲載されました。
Title:Relationship between Tissue Gliding of the Lateral Thigh and Gait Parameters after Trochanteric Fractures.
Journal:Sensors. 2022 May; 22(10): 3842. doi: 10.3390/s22103842.
Authors:Kawanishi K, Fukuda D, Niwa H, Okuno T, Miyashita T, Kitagawa T, Kudo S.
【概要】
この論文は、大腿骨転子部骨折という回復期リハビリテーションで最も多く対象となる高齢者の骨折に関する研究です。
この骨折後のリハビリテーションでは歩行能力を再獲得することが課題になりますが、そのためには大腿部の痛みが阻害因子になり、その痛みの原因が大腿部の滑走性低下に起因することを確認していました。そして、この滑走性に対して理学療法を行うと歩行中の疼痛が軽減し、歩き方が改善していくことを経験していました。しかし、それは歩行の観察に留まり、定量的な評価ができていないため、エビデンスとして主張できない状態でした。
今回の研究により、骨盤に貼付した加速度データを詳細に観察したデータで大腿外側部の滑走性と歩行能力が関連することを示すことができました。これにより、大腿骨転子部骨折に対するリハビリテーションの歩行に及ぼす効果を定量的に示し、より良いリハビリテーションの開発につながります。