GRADUATE SCHOOL OF HEALTH SCIENCES
DOCTORAL COURSE OF MEDICAL SCIENCES

新着情報

保健医療学研究科 医療科学専攻(博士後期課程)

学位:博士(医療科学) 修業年限:3年

医療科学専攻長からのメッセージ

医療科学専攻[博士後期課程]の特長は、医療における科学性を追究し、臨床に役立つ技術やシステムの研究開発を行うことによって医療の進歩に貢献できる能力を養うことです。また、高い研究倫理観に基づく公正な研究を自立して行うことができる研究者の養成をめざしています。医療科学専攻ではさまざまな医療資格や研究分野をもつ大学院生たちが、対話や共同研究を通して新しい発想や価値観を創り上げる環境があります。ここで培った科学的思考、研究能力および専門技術を活かして、教育研究機関あるいは高度医療施設で指導的役割を担える人材を育成することに努めています。

山下仁 教授

医療科学専攻[博士後期課程]の特色

コースワーク

共通科目でEvidence-Based-Medicine(EBM)、生物統計学、研究倫理など、医療科学に関する基本的概念と具体的手法を修得し、医療における幅広い視野と知識を身に付けます。

リサーチワーク

専門演習・特別研究科目で先行研究レビュー、研究計画立案、倫理審査書類作成、研究実施、データ解析、解釈と考察、論文執筆、学術雑誌への投稿、査読への対応、成果発表、博士論文提出まで、自立して研究活動を行うために必要なすべての過程を体得します。

健康機能科学系と
医療技術開発系

2つの領域を設け、前者はメカニズム解明や実験モデル構築を、後者は臨床に即した観点から医療技術の開発・検証・改良に関する研究を行います。

教育内容

  1. 1年次前期に共通科目(生物統計学後期特論、医療科学研究方法論、研究倫理特論)で、Evidence-Based Medicine(EBM)及び医療科学に関する基本的概念、基礎知識、研究の具体的手法、及び研究倫理と生命倫理の遵守事項について習得させ、専門科目を履修するにあたっての知識・技術・倫理の基盤を築く。
  2. 専門科目を特論科目、専門演習、特別研究に区分する。
  3. 1年次後期の特論科目において、基礎研究を行う健康機能科学系または臨床に直結した研究を行う医療技術開発系のいずれかで、専門分野を深く追究して当該分野における質の高い特別研究と博士論文執筆を遂行する研究能力を身に付ける。
  4. 1年次後期の専門演習(後期専門演習)において、臨床現場における問題抽出、解決策の模索、臨床従事者のセンスを身に付け、特別研究における臨床貢献の姿勢を涵養する。
  5. 3年間を通して実施する特別研究(後期特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)において、医療科学に関する研究テーマを決定し、先行研究レビュー、研究計画立案、倫理審査書類作成、研究の実施、データ解析、解釈と考察、論文作成、学術雑誌への投稿、査読への対応、成果発表、そして博士論文提出まで、自立して研究活動を行うために必要なすべての過程を体得させる。

教育方法

  1. 講義か演習かにかかわらず少人数で対話形式の指導を行い、学生の自発的学習、課題発見、解決模索の態度を重視し促す。
  2. 専門演習では、前半は論文や資料の通読と討論を行い、後半は各学生の研究領域及び医療資格に最も近い臨床施設に出向いて参与観察を行わせ、臨床現場における具体的な課題を抽出して解決・改良の方策を模索させて研究内容に反映させる。
  3. 特別研究では、専門分野の基本的な知識・技術を身に付けるコースワークから徐々に実践的なリサーチワークに移行させる。移行期は1年次後期とし、学生個別の能力と成長度に合わせて調整する。また、客観的評価とフィードバックができる公聴会を毎年設ける。1年次はプロトコール発表会、2年次は中間報告会、3年次は最終成果発表会とする。
  4. 研究者としての倫理観を養い、研究公正の重要性を自覚させるために、研究倫理特論の必修に加え、学内研究倫理セミナーまたは研究倫理eラーニングを毎年受講させる。

学修成果の評価方法

  1. 各科目のシラバスに定める成績評価法にもとづき評価する。
  2. 共通科目、特論科目及び専門演習においては、授業中の質疑、意見、討論の内容、及び提出されたレポートの内容を重視する。
  3. 特別研究においては、博士論文の内容だけでなく、在学中に論文投稿した学術雑誌の査読内容とその対応、学会発表とその質疑応答、及び公聴会における発表と質疑応答の内容も評価材料とする。

授業科目

共通科目

生物統計学後期特論

医療科学研究方法論

研究倫理特論

専門科目 健康機能科学系

システム生理学特論
臨床神経解剖学特論

分子治療学特論
分子病態検査学特論

計測数理モデル特論
生体情報解析学特論

医療技術開発系

介護予防技術開発特論
生活支援技術開発特論
心理社会作業療法学特論
鍼灸医療技術開発特論

臨床理学療法技術開発特論
バイオメディカルエンジニアリング特論
放射線技術開発特論

専門演習科目 後期専門演習
特別研究科目

後期特別研究Ⅰ
後期特別研究Ⅱ

後期特別研究Ⅲ

修了に必要な単位
[必修科目] 20単位 [選択科目] 2単位以上
[合計] 22単位以上
※単位は、特別研究科目については4単位、その他の科目は1~2単位。太字は必修科目。

Column 私の研究

「“できる”を支援」作業療法技法を活かし、
誰もがやりたいことができる社会の実現へ

もともと多職種と連携し、要介護まで至らない方を対象とした「生活目標設定手法を用いた介護予防ケアマネジメントの効果」について研究を行っていました。その中で自立割合に自宅内外で差があることに着目し、現在は「買い物工程分析表」を基に、買い物という日常を通して身体機能の評価・分析ができるプロトコール確立をめざしています。
現行の評価方法では、家の中で生活できているので問題ないとされる場合でも、一歩外に出て買い物を行う場合では、頭上の品物を取る・買ったものを持ち運ぶなど、家庭内では見えない多くの障壁が存在します。本当はできないのに、周りはできると思っているアンバランスが生じ、気づかぬまま身体機能が衰えていく…。こうした、これまでは支援の対象にならなかった方を見つけ出し、誰もが本当にやりたいことができる社会の実現に向けて活動を行っています。

総合リハビリテーション学部
作業療法学科
大学院 保健医療学研究科
教授由利 禄巳

修了生メッセージ

鍼灸がより身近なものとなるよう、
エビデンスに基づいた正しい知識を広めたい

森ノ宮医療大学 鍼灸学科から同大学院修士課程へ進み、その後は愛媛県の病院などで臨床研修を積み、現在は鍼灸学科の教員として働いています。
私が大学院へ進んだきっかけは学部時代に、ひとつの疾患や症状に対するアプローチが治療者の数だけある鍼灸の難しさと奥深さを感じ、より深く学びたいと思ったから。そこから鍼灸の臨床における科学的根拠(エビデンス)を正しく「つくる」、「つたえる」、「つかう」ための研究を始めました。これまで、医療の意思決定に大きく関わる診療ガイドラインに、鍼灸治療のエビデンスが適切に反映されているのかどうかや、特定の疾患や症状に対してさまざまな鍼灸治療の方法がある中でどの治療が最も効果的なのか、ということを検証する研究を行ってきました。これらの研究によって、医療者だけでなく患者さんにとっても鍼灸治療を正しく選ぶことができる、という環境づくりをめざしたいと思っています。

大川 祐世さん
2008年4月 - 2012年3月 森ノ宮医療大学 保健医療学部(現:医療技術学部) 鍼灸学科
2012年4月 - 2014年3月 森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 保健医療学専攻[修士課程]
2020年4月 - 2023年3月 森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 医療科学専攻[博士後期課程]

誰もが最後まで健康的に歩ける社会をめざして

訪問看護ステーションで訪問リハビリテーションを行う理学療法士として働く中で「在宅でも詳細な歩行分析ができ、効果的なリハビリテーションを行うことができないか」と考えていたところ、ある勉強会で森ノ宮医療大学の工藤慎太郎先生と出会いました。そこでバイオメカニクスについて、さらに深く学びたいと思ったことがきっかけで研究者の門をたたきました。
在学時は、身体の動きを分析する際に必要な数学の知識や英語での論文執筆・学会発表など、中学・高校の勉強の大切さを痛感しながらも、歩行の改善状況を患者さんの目に見える形(データ)で提供することでポジティブな反応が得られたことから、研究の成果が実感できたことを覚えています。
現在、森ノ宮医療大学附属ベイクリニックで勤務していますが、理学療法士として働きながら研究を続けるうえで、最新の機器を用いたリハビリテーションが提供できるだけでなく、研究施設としても設備が揃っており、最高の環境にいると感じています。この恵まれた環境を活かし、誰もが最後まで自分の脚で健康的に歩ける社会をめざして、引き続き活動を行っていきたいと考えています。

宮下 敏紀さん
2002年4月 - 2004年3月 藍野医療福祉専門学校 理学療法学科
2016年4月 - 2018年3月 森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 保健医療学専攻[修士課程]
2018年4月 - 2021年3月 森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 医療科学専攻[博士後期課程]

2025年度 大学院説明会

実施日

6/9(日)、7/21(日)、12/22(日)
15:00~16:00(14:30受付開始)

場所

森ノ宮医療大学(受付:イーストポート)

申込フォーム

上記日程で参加できないため個別相談をご希望の方

個別相談を承ります。下記の項目を入れて、本学宛にメールにてお申し込みください。
担当教員より直接連絡しますので、個別相談の日時や相談方法(メール・オンライン・対面など)を調整ください。

森ノ宮医療大学 入試課

[E-mail] univ@morinomiya-u.ac.jp[TEL] 0120-68-8908
※下記の項目をご記載ください。

1.【件名】に「大学院説明会」と記載 
2.相談を希望する教員名(決まっている場合のみ) 
3.研究テーマ
4.第一志望専攻名 
5.保有(取得見込み)の医療系資格
6.希望するご連絡方法、時間帯
7.個人情報(氏名、フリガナ、最終学歴、メールアドレス、住所、電話番号、職業)

2025年度 大学院パンフレット

大学院パンフレットをWeb上でも公開中です。
大学院の特色や学びについて詳細な情報をご覧いただけます。

大学院パンフレット

2025年度 大学院学生募集要項

大学院学生募集要項をWeb上で公開中です。

大学院学生募集要項

コンテンツ一覧

ADMISSION POLICY 入学者受入方針

医療科学の分野について、医療における高度に専門的な臨床業務に従事するために必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養い、医療系の臨床施設あるいは教育研究施設において指導的役割を担う人材を育成することを目的としています。そのような人材となり得る資質を有する学生を選抜するため、次のような入学者を受け入れる方針を設定しています。

①基礎的な論文読解能力
自分が専攻しようとしている領域の日本語と英語の先行研究論文の読解・解釈ができる基礎的な知識と技術を有している。
②基本的な文章構成能力
自分の考えを論理的にまとめて文章表現できる基本的な知識と技術を有している。
③医療科学研究への熱意
臨床に役立つ医療科学の研究に専念して、人々の健康に貢献したいという強い熱意と意志をもっている。
④指導者・管理者としての自覚
医療分野における指導者あるいは管理者となって人材の育成や臨床・教育・研究の発展に身を捧げる覚悟がある。

入学試験において、上記①を論文読解試験、②を小論文試験、③④を出願時提出書類と面接試験によって評価する。

【禁煙への取り組み】

本学では、学生の健康を確保するため、また医療人を育成する大学の責務として、大学全敷地内及び大学周辺の全面禁煙化を実施しています。入学者は大学敷地内及び大学周辺での喫煙行為を行わないことを約束できる方とします。

CURRICULUM POLICY 教育課程編成・実施の方針

本学では修了認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)にある知識や能力等を修得する為に教育課程を編成し、教育内容、教育方法、学修成果の評価方法を以下のように定めます。

1

教育内容

  • ①1年次前期に共通科目(生物統計学後期特論、医療科学研究方法論、研究倫理特論)で、Evidence-Based Medicine(EBM)及び医療科学に関する基本的概念、基礎知識、研究の具体的手法、及び研究倫理と生命倫理の遵守事項について習得させ、専門科目を履修するにあたっての知識・技術・倫理の基盤を築く。
  • ②専門科目を特論科目、専門演習、特別研究に区分する。
  • ③1年次後期の特論科目において、基礎研究を行う健康機能科学系または臨床に直結した研究を行う医療技術開発系のいずれかで、専門分野を深く追究して当該分野における質の高い特別研究と博士論文執筆を遂行する研究能力を身に付ける。
  • ④1年次後期の専門演習(後期専門演習)において、臨床現場における問題抽出、解決策の模索、臨床従事者のセンスを身に付け、特別研究における臨床貢献の姿勢を涵養する。
  • ⑤3年間を通して実施する特別研究(後期特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)において、医療科学に関する研究テーマを決定し、先行研究レビュー、研究計画立案、倫理審査書類作成、研究の実施、データ解析、解釈と考察、論文作成、学術雑誌への投稿、査読への対応、成果発表、そして博士論文提出まで、自立して研究活動を行うために必要なすべての過程を体得させる。

2

教育方法

  • ①講義か演習かにかかわらず少人数で対話形式の指導を行い、学生の自発的学習、課題発見、解決模索の態度を重視し促す。
  • ②専門演習では、前半は論文や資料の通読と討論を行い、後半は各学生の研究領域及び医療資格に最も近い臨床施設に出向いて参与観察を行わせ、臨床現場における具体的な課題を抽出して解決・改良の方策を模索させて研究内容に反映させる。
  • ③特別研究では、専門分野の基本的な知識・技術を身に付けるコースワークから徐々に実践的なリサーチワークに移行させる。移行期は1年次後期とし、学生個別の能力と成長度に合わせて調整する。また、客観的評価とフィードバックができる公聴会を毎年設ける。1年次はプロトコール発表会、2年次は中間報告会、3年次は最終成果発表会とする。
  • ④研究者としての倫理観を養い、研究公正の重要性を自覚させるために、研究倫理特論の必修に加え、学内研究倫理セミナーまたは研究倫理eラーニングを毎年受講させる。

3

学修成果の評価方法

  • ①各科目のシラバスに定める成績評価法にもとづき評価する。
  • ②共通科目、特論科目及び専門演習においては、授業中の質疑、意見、討論の内容、及び提出されたレポートの内容を重視する。
  • ③特別研究においては、博士論文の内容だけでなく、在学中に論文投稿した学術雑誌の査読内容とその対応、学会発表とその質疑応答、及び公聴会における発表と質疑応答の内容も評価材料とする。

DIPLOMA POLICY 修了認定・学位授与の方針

医療科学専攻博士後期課程では、医療における学術及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、臨床に役立つ技術やシステムの研究開発を行うことによって、人々の健康の回復及び保持・増進に寄与することを目的としています。本学ではこれを実現するための教育体制を整えており、下記のような能力・資質の獲得を以て修了を認定し学位を授与しています。

臨床貢献

臨床に役立つ医療科学の研究成果を挙げることによって、医療の質の向上に寄与することができる。

指導能力

病院または医療系施設・企業において中核的または指導的役割を担うことができる。

研究能力

医療における科学性を追究する学識と手法を修得し、高度の専門的業務を遂行するにあたって自立して研究を行うことができる。

研究倫理

高い研究倫理観にもとづいた公正な研究を遂行できるとともに、医療科学におけるリサーチ・インテグリティの維持向上に貢献できる。