研究紹介 Research

2024/08/29

運動療法エビデンス研究チーム 堤真大講師(MINCL・総合リハビリテーション学部理学療法学科)

論文が掲載されました(インクルーシブ医科学研究所 堤真大講師)

このたび、インクルーシブ医科学研究所 堤真大講師の論文が「Scientific Reports」に掲載されました。
なお、本研究は本学 理学療法学科卒業生である金澤清称さん(2023年度卒業、現:天野整形外科)が卒業研究として取り組んだ研究の一部であり、学長奨励研究費(発展的研究体制構築型)の助成を受けて実施されました。

 Title:In vivo movement interrelationships among the medial meniscus, joint capsule, and semimembranosus during tibial rotation
 Journal:Scientific Reports. 2024 Jul; 14(1): 17022.
Authors:Tsutsumi M, Kanazawa S, Nimura A, Akita K, Kudo S.
WEB link:http://doi.org/10.1038/s41598-024-68088-1

【研究内容の概要】
近年、早期変形性膝関節症に関わる病態として内側半月の逸脱が着目されています。以前の我々の研究により、内側半月は関節包と半膜様筋の相互作用によって支えられていることが解剖学的に示唆されましたが(https://www.morinomiya-u.ac.jp/news/?c=topics_detail&pk=1692861734&type=content36)、生体では証明されていませんでした。
本研究では若年健常者を対象に、エコーで内側半月の動きを可視化しました。下腿内旋の等尺性収縮を誘導すると、内側半月・関節包・半膜様筋の動き方のパターン(速度の時系列データ)が類似し、半膜様筋が収縮すると内側半月が膝内側で関節内に移動することが明らかになりました。したがって、内側半月が関節包と半膜様筋の相互作用によって支えられていることが生体で証明されました(図)。

下腿の内旋角度増大や半膜様筋の短縮などによって、関節包に加わる張力が減少すると、内側半月が逸脱しやすくなるのではないか、という内側半月逸脱のメカニズムを提言する研究となりました。

【学長奨励研究費】
https://www.morinomiya-u.ac.jp/research/kenkyu_shien/gakucho_suishin.html

【教員データベース】
 下記より研究者の業績等をご覧いただけます。
 
 堤真大講師(インクルーシブ医科学研究所)
 https://www.morinomiya-u.ac.jp/guide/kyoin.php?c=teacher_detail&pk=1620908154