各プロジェクトチームの取り組み Project
多分野の協働で、健康長寿社会の実現をめざす
インクルーシブ医科学研究所は、職種や研究領域を越えた6つのプロジェクトチームで構成されています。各チームとも『健康長寿社会』の実現に向け、全世代における健康科学的・社会学的な課題解決に向けた研究を実施。異なる専門分野のプロフェッショナルが協働することにより、新たな発想を生み出し、これまでにない治療法の確立や支援の開発に挑戦しています。
運動療法エビデンス研究チーム
インクルーシブな考えで運動療法を見える化
運動療法の専門家である理学療法士と臨床工学技士や分子病態学の専門家、解剖学の専門家が集まっています。どういった構造がどういった機序で問題になっているか(病態)を明らかにし、生体において定量評価することで運動療法の介入効果を証明し、近未来型の運動療法の確立をめざしています。
統合医療エビデンス研究チーム
インクルーシブな発想と手法で根拠に基づく統合医療をめざす
鍼灸やアロマセラピーなど統合医療で用いられる医療技術の根拠と質を基礎研究・臨床研究の両面から明らかにしていきます。基礎研究班は鍼灸や植物精油がさまざまな病態に及ぼす効果について、細胞や分子レベルでの根拠を示すべく研究を行っています。臨床研究班では玉石混淆とされる統合医療の構成要素であるさまざまな治療法のうち、エビデンスが有望とされる手法に関する臨床研究の質を評価し、信頼できるエビデンスの抽出と検証を行います。
障害支援研究チーム
その方の持つ障害をどう支援するか
様々な障害を持つ方(身体障害、精神障害、発達障害、老年期障害など)の望んでいる、あるいは必要としている生活の獲得に向けて、その方の持つ障害を評価し、原因を明らかにし、問題を解決する手立てを考えます。そのために障害を評価するための評価法作成や、原因を明らかにするための基礎研究、問題を解決するための支援方法を開発していきます。
最新医療技術研究チーム
専門性の異なる研究者の融合により新しい技術や学問の展開をめざす
癌と循環器疾患という日本人の死亡原因の二大疾患に対し、専門性のまったく異なった研究者によって構成されています。分子生物学や計算科学を利用し、新しい治療法の開発や病態の可視化にかかわる最新の医療技術開発をめざしています。特に癌の進展や浸潤に関わる機序の解明、コンピュータシミュレーションを利用した不整脈や血流解析の研究を行っています。専門性の異なる研究者が融合することで、新しい技術や学問の展開が期待されます。
健康寿命研究チーム
職種を超えた未来の研究
このチームは本学7学科全ての専門家が集まって研究を行っています。 今後日本は、どの国も経験したことがない多死社会を迎えます。 私たち日本が、世界に先駆けて立ち向かっていかなければならない課題を、職種を超えたあらゆる専門家が集い、未来を見据えた研究を行っています。
適応生理学研究チーム
身体運動機能向上及び生活習慣病予防につながる新たな手法と評価方法の確立をめざす
小児から高齢者、一般人からアスリートに至るまで呼吸循環機能の評価および改善は、豊かな日常生活の維持や身体パフォーマンスの向上をもたらすために重要です。また、骨格筋による身体運動中の爆発的なパワー発揮や高い運動効率には、巧みな神経活動や筋動態の調整によって弾性エネルギーを貯蔵・再利用する「筋腱相互作用」が重要な役割を果たします。我々の研究チームでは、各年代、そしてアスリートのそれらの形態的および機能的特性を理解し評価することはもちろん、対象者に必要な指導法を提供します。