イベント Event
2023/01/26
仮想現実を用いたリハビリによって脳卒中片麻痺患者の歩行に及ぼす影響を調査しています。
脳卒中の片麻痺について
脳卒中片麻痺によって歩くことが難しくなることや、歩く際の姿勢が崩れ非対称となるため、リハビリテーションが必要になります。しかし、発症からの経過が長くなるほど麻痺の回復は緩やかとなるため、より効果的な治療法の開発が望まれています。これまでも、様々な医療機器が開発されてきたものの、適応範囲には限りがあるなどの問題がありました。
mediVRカグラとは
mediVRカグラは、仮想空間上の狙った位置に手を伸ばす動作(リーチングと呼びます)を繰り返すことで、姿勢バランスや二重課題型の認知処理機能を鍛えるリハビリテーションをサポートするための医療機器です。
VRを使うことで、集中した環境下で楽しくリハビリに取り組むことができます。
mediVRの特徴としては、座って実施でき転倒の危険も少ないことや、VR酔いを抑える技術が用いられており、安全が高いことが証明されています。
実際にカグラを使用した研究としては、既存の治療方法では効果を示すことが難しかった疾患に対しても、座位で実施するにも関わらず、歩行への良い影響が認められ始めています。
しかしながら、慢性期脳卒中例の歩行についてどのような効果を及ぼすのかは明らかではありません。
我々は、座って実施できる運動であることからカグラは体幹のコントロールが鍵になるのではないかと考えています。つまり、カグラによる運動は、歩行に必要な体幹のコントロールを再学習させることで、脳卒中の方の歩行能力や姿勢を改善するのではないかと考えています。
我々は、この仮説を検証するために研究を開始しており、現在参加者を募集しています。
ぜひ、カグラの体験および治療へ参加してください!
以下、実験の要旨となります。
【研究の参加対象者について】
・20歳以上の方
・慢性脳梗塞片麻痺(発症6ヶ月以上)で、ご自身で歩行が可能な方、研究への参加同意が得られる方
・脳卒中後の片麻痺の方
・発症から6ヶ月以上経過している方
・ご自身で歩くことが可能な方
・定期的にmediVRによる運動を実施いただける方
・森ノ宮医療大学および株式会社mediVR本社にお越しいただける方
※両側の麻痺や研究に影響するような疾患や症状がある方は参加いただけない場合もございます。
【評価】
介入前と介入終了1週間後、介入終了3ヶ月後に評価を行う予定です。
歩く速さや歩容の評価を行います。
【介入】
mediVRカグラを用いた20分間のリハビリを週に1回の頻度で10回実施します。VRを使ったリハビリのためにヘッドマウントディスプレイを装着して、出てくる的に対して手を伸ばして的を取る運動を実施します。
治療者は、理学療法士または作業療法士が実施します。
【実施場所】
評価場所:森ノ宮医療大学 イーストポート306-308
(〒559-8611 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目26−16)
介入場所: mediVRリハビリテーションセンター大阪
(〒561-0872大阪府豊中市寺内2丁目4番1号 緑地駅ビル3階)
【申込方法】
ご興味を持たれた方は「VR治療希望」と明記の上、お名前とご連絡先をメールにてご連絡ください。
ご都合に合わせてご参加いただけるように今後の実施予定をご案内いたします。
【申込先】
研究責任者:森ノ宮医療大学 理学療法学科 工藤慎太郎・仲本正美
Mail :2021dms001@s.morinomiya-u.ac.jp